NFTとメタバースについて

メタバースとは

仮想世界のことです。
SF作家ニール・スティーヴンスンによる造語が由来で、「インターネット上に構築された仮想の三次元空間でアバターなどを用いて接する環境」としています。
語源は「Meta」超越した、「Universe」宇宙の2つのワードから形成されています。

現在、メタバースといっても定義がまだ曖昧です。 身近なメタバースのイメージ例として、「あつまれどうぶつの森」が挙げられます。

任天堂SWITCH公式サイト

仮想空間がどこまでの範囲を指すのか曖昧な中でも、メタバースの定義について大枠が記されているものがありました。

野村総合研究所(NRI) 丹下 雄太 氏」と「米ベンチャー投資家マシュー・ボール氏」の定義から抜粋したものが下記となります。

・ネットワーク上の世界であること
・多人数が参加可能な世界であること
・ログアウト後も永続的であること
・多目的な活動ができること
・経済が機能していること


NFTとメタバース

メタバースは現実世界とほぼ変わらない設計であるため、仮想空間で動くためのアバターやアバターに着せる衣類、住むための土地などのアイテムが必要となります。従来の仮想空間のようなゲームにもアイテムを使うことがありましたが、その空間内でしか価値を持たせることができませんでした。
しかし、アイテムをNFTにすることで現実世界でも仮想空間で使っているアイテムに価値をもたせることができるようになりました。 メタバースで使うNFTの種類には以下のようなものがあります。

・アバター

メタバースの中で自由に動ける分身のようなものです。自由にカスタムができ、オリジナルアバターを作成することができます。

・ウェアラブルアイテム

アバターが着用する服や靴です。 マーケットプレイスでウェアラブルアイテムを購入し着用、またはユーザーがウェアラブルアイテムを作成し販売することができます。

・土地アイテム

土地をNFTにすることで現実世界と同様に土地に価値を持たせることができます。
土地(LAND)は購入すると高額なため、土地を使いたい人に安く貸し出し不動産収入としている人もいます。

・オブジェクトアイテム

家具や装飾品、ゲーム内で使う武器をNFTにすることがあります。 ウェアラブルアイテムと同様マーケットプレイスで売買ができます。


メタバースの用途

メタバース内では、様々な用途に使われます。

<ライブやイベント>

コロナウイルス感染の影響で多くのライブや舞台、イベントが中止となりました。
しかし、メタバースを活用することで中止にせず、バーチャルライブを開催することができます。
2021年7月にロックバンドのRADWIMPSがバーチャルライブ「SHIN SEKAI ”nowhere”」を開催していました。自宅から気軽に参加できる点、離れていても友達と参加できる点、曲の世界観に入り込める点などライブはとても好評でした。
また、ライブが終わった後でもバーチャル空間が解放されているため、参加者同士のコミュニケーションの場にもなりました。

SHIN SEKAI公式サイト

<ショッピング>

メタバース内ではアバターを使って過ごすため、アバターが着る服や靴が必要になります。
メタバース内のショッピングは現実世界と同じように、バーチャル化された商品を見て、試着したうえで購入することが可能です。また、メタバース内のアバターが着る服だけでなく、現実世界のショッピングとつながっているメタバース空間もあります。

実際に三越伊勢丹がこの取り組みを行っています。
「REV WORLDS(レヴワールズ)」というスマートフォン向け仮想都市空間サービスを行っており、伊勢丹新宿店が舞台となっています。
仮想伊勢丹新宿店には、デパ地下やファッション、ギフトなどさまざまなショップが出店し、仮想店舗内の商品は実際に販売されている商品が並んでいるため、そのままオンラインストアで購入が可能です。

舞台が新宿の「REVWORLDS」仮想空間

期間限定のディズニープリンセスを感じられる空間に、プリンセスのドレスをはじめとした約80点の商品が展示されています。

MITSUKOSHI ISETAN shopping公式サイト




<会議>

近年、コロナウイルスの影響でリモートワークが主流となってきました。会議もオンラインでできるようになりましたが、表情が分かりづらいことやその場の雰囲気がつかめないことがあります。

しかし、メタバースの会議であれば、表情をつくることやリアクションをすることが可能となるのでより現実に近い会議をすることができます。また、資料やデータも参加者間で共有できます。
バーチャルの会議室にある1つのホワイトボードにそれぞれ参加者が書き込みをすることも可能です。

Facebookを提供するMeta社が公開している「Horizon Workrooms」がとても話題となっています。参加者がどこにいてもアバターとしてバーチャルの会議室に集まり、一緒に仕事ができるようになっています。参加するにはVRヘッドの「Meta Quest2」が必要です。 この「Meta Quest2」を使用すると、メタバース内で自分のPCを操作するなど、現実空間と同じ作業が実現できるようになります。

MetaQuest

<ゲーム>

メタバース空間を体感できるものにゲームがあります。

ただ用意されたミッションをこなしていくゲームではなく、ユーザー自身が作ったゲームをメタバース内で提供することができ、そのゲームをユーザー同士で楽しむことができます。


初心者におすすめメタバース

・クラスター

メタバースのプラットフォームです。
日本企業のクラスター株式会社が運営しているので、日本人にとってはわかりやすく、VRゴーグルもいらないので手軽に始められるメタバースです。 アバターを作成し、イベントに参加、友達とチャット、自由にワールドを作ることが可能です。

イベントに参加している様子 ↓

Cluster公式サイト

・The Sandbox(サンドボックス)

空間内でアバターを使いゲームやアートを自作して遊べるようになっています。
作ったアートやゲームのアイテムをNFTにしてマーケットプレイスで売買することが可能です。売買する際には、オリジナルの暗号資産「SAND」が使用されています。


最近の気になるメタバース

Oasis Tokyo
2035年の近未来都市をコンセプトにしたメタバース空間で、様々な分野のアーティストとファンの交流の場や企業のコミュニティ育成の場として活用できるそうです。
2022年中に公開予定で、元AKB48の小嶋陽菜さんプロデュース「Her lip to」とのコラボレーション企画が決まっているとのことです。
メタバース内で利用できる施設はネオン系の色遣いがおしゃれな空間でした。また、自分の好きなアーティストと気軽に交流できるのはとても魅力的です。


OKCoinJapanとメタバース

当社は、NFTコレクション「Crypt Ninja」のパーティー型Play to Earn (P2E)ブロックチェーンゲーム『Crypto Ninja Party! (クリプトニンジャパーティー)』のゲームトークンについて、IEO (Initial Exchange Offering) の実施を検討することをお知らせしています。

個人的願望にはなりますが、今後共同プロジェクト等で当社が、初心者でも気軽に始められる女性向けメタバースの制作に携われるといいなと思っております。


まとめ

メタバースとは現実世界とほぼ変わらない機能を持つ仮想空間のことです。
メタバース内では、アイテムに価値を持たせるために、アバターやウェアラブルアイテム、土地、オブジェクトアイテムにNFTが使われています。これらのNFTは自由に売買することができます。
メタバースの活用事例は、ライブ・イベント、ショッピング、会議、ゲームの主に4つが挙げられます。
初めてメタバースに参加される人には、アプリで簡単にアクセスできるクラスターやSHIBUYA109エンタテイメントやエイベックス・テクノロジーズなどの国内大手企業が提携しているサンドボックスがおすすめです。

一方で、メタバースに参加する際に、高額なVRゴーグルの購入が必要となる場合や登録プロセスが長いといった課題があります。
今後、VRゴーグルのコストダウン・小型化・軽量化を進めて購入しやすくする、またメタバースへのアクセス方法をアプリ化していくともっと多くの人に気軽に楽しんでもらえるのではと思いました。