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7月のビットコイン価格推移
7月前半は年初来安値付近でもみ合いも、後半は実需への思惑で一転上昇。
1日あたりの変動幅は約20万円と、直近3ヶ月間の平均約37万円に比べて小動きとなった。
20日以降は、実需への思惑がビットコイン価格にインパクトを与え、上昇に転じた。約1ヶ月ぶりに、1日あたりの変動幅が30万円を超えた。
ビットコイン底打ちとなるか?
【決済インフラとしての暗号資産の活用の広がり】
7月以降、米企業による暗号資産の実用化に向けた動きが見られた。
米アマゾンは26日に報道を否定したが、同社で今年中に暗号資産決済が導入されるとの憶測が広まった。7月時点で、アマゾンは米企業の時価総額でベスト5に位置しており、憶測でも暗号資産市場にインパクトを与えたようだ。
また、今年3月にステーブルコイン「USD Coin」での決済開始を発表した米国決済大手Visaにも進展があった。
7日、Visaカードを通じて、世界中の加盟店で暗号資産を容易に使用・換金できるようにすることを目的に、暗号資産取引所のCoinbaseやFTXを含む50以上の暗号資産関連企業との提携を進めていることを発表した。
イーロン・マスクCEOが率いる米テスラおよびスペースXのビットコイン保有も明らかになっており、今後も企業による決済インフラとしての暗号資産の活用の広がりがポジティブ要因として作用するかもしれない。
【中国マイナーの移動】
中国の規制によるマイナーの移動が一段落した模様。
ビットコインのハッシュレートは、7月3日に底打ちし、上昇に転じた。
※blockchain.com
さらに、15日 に公開された英国ケンブリッジ大学のオルタナティブファイナンスセンターのレポートによれば、中国の規制が本格化する前の2021年4月時点でさえ、中国がマイニングパワー(ハッシュレート)全体に占める割合は、2019年9月の75.5%から46%と大幅に減少しており、アメリカ、カザフスタン、ロシア、イランへの移動が見られた。
規制後のマイナーの移動により、中国の割合がさらに減少したことが予測され、ビットコインマイニングの地域的な偏りが解消されてきている。
【テクニカル要因】
※OKCOIN(BTC/USD 1D – Trading View)
テクニカル的には、対ドルで心理的節目の30,000ドルを明確に下抜けることができず、上昇に転じた。
相場の相対的な強弱、モメンタムを表す指標であるRSI(相対力指数)は、20日に一般的に「売られすぎ」のサインとされる30%付近でトレンド転換し、月末には「買われすぎ」のサインとされる70%を超えた。
※OKCOIN(BTC/USD 1D – Trading View)
移動平均線では、7月後半の上昇により、月末には100日単純移動平均線の水準を超えた。
現在の価格が移動平均線からどれだけ乖離しているかを示す移動平均線乖離率では、20日単純移動平均線から18%程度の上方乖離となっている。
目先は短期的な調整の可能性をはらむものの、100日単純移動平均線の水準がサポートラインとして機能するか、30日安値付近の38,000ドルあたりがサポートとなるかが注目される。