新規上場 IEO(Initial Exchange Offering)


暗号資産(トークン)を活用した資金調達を行う仕組みとして「ICO」、「IEO」など「I*O」という言葉が登場しています。

「I*O」でよく知られているものに「IPO(Initial Public Offering)」がありますが、「IPO」はもともと伝統的な金融市場で、未上場企業が株式市場に新規上場し、新たに株券を発行して募集することによって資金調達を行う仕組みのことをいいます。

暗号資産業界では、2017年頃に企業やプロジェクト等がトークンを活用した資金調達を行う仕組みである「ICO(Initial Coin Offering)」が盛んになりました。
一方で、新たに登場した「ICO」の一部には詐欺的事案のものもあり、「ICO」に対する規制のあり方が見直されることとなりました。
そして、「ICO」の他にも「IDO(Initial DEX Offering)」、「IEO(Initial Exchange Offering)」、「IFO(Initial Farm Offering)」、「IGO(Initial Game Offering)」と様々な仕組みが登場しています。


今回の記事では、OKCoinJapanで2022年7月に実施検討を発表した「IEO(Initial Exchange Offering)」についてご紹介いたします。

「IEO」とは、企業やプロジェクト等がトークンを活用した資金調達を行う仕組みである「ICO」の中でも、暗号資産取引所が主体となってプロジェクト審査およびトークンの販売を行う仕組みです。
国内でIEOを実施するには、金融庁・財務局への登録を受けた暗号資産取引所が、トークンを発行する企業やプロジェクト等からの依頼に基づき、購入者保護の観点からプロジェクトを審査した上で販売を行うため、ICOに比べて信頼性が高いといえます。
審査では「発行者の健全性及び独立性・ガバナンス及び内部管理体制の状況」、「対象事業の体制や適格性」や「対象事業の見通しが不透明でないか」などが主な項目として挙げられます。

国内では、2021年に初となる「IEO」が実施されました。
国内初の「IEO」案件は、現在OKCoinJapanでも取り扱っているパレットトークン(PLT)で、NFT事業を展開するための資金調達を主な目的として、株式会社HashPalette によって発行されました。

発行されたパレットトークンは、コンソーシアム型ブロックチェーンのパレットチェーン上でノード運用報酬の支払いとして利用されたり、パレットチェーン上に作られたゲームのNFTを購入する際に利用されたりと多彩な用途が設けられています。

このようにトークンの用途を明確にすることで価値が見出され、エコシステムの広がりとともにトークンを保有・使用するユーザーが増えることで徐々にコミュニティができあがり、経済圏が生まれます。

IEOでは資金を調達できるだけでなく、発行したトークンを活用することでコミュニティを形成・強化しやすいのが特徴です。
例えば、ゲーム内にトークンエコノミーによるインセンティブの仕組みを設けることで、ユーザーやクリエイターが自発的にコミュニティを盛り上げるようなコミュニティにとって良い方向へと動機付けを行うことができるかもしれません。


既に海外の大手暗号資産取引所ではIEOを10件以上実施しているところは珍しくなく、スポーツ・エンタメ・アパレルなど多くの業界が参入し、カテゴリとしてもNFT、メタバース、GameFi、ブロックチェーンインフラ、DeFiなど多岐にわたっています。

国内では2022年に入りIEOの実施検討を発表する暗号資産交換業者が増えており、今後、暗号資産取引所によるIEOが国内でも盛り上がることが期待されます。

OKCoinJapanは、IEOを通じて企業やプロジェクトが目指すトークンエコノミーを一緒に創り上げ、ユーザーの皆さまがより身近にトークンを感じられるような体験を、そして新しい形でトークンに触れる機会を数多く提供していきたいと思います。